守破離から学ぶことはビジネスで信頼に繋がるものとなる
学ぶ機会がたくさんある今、少し前に、”教えられる側の立場”としていきづまったことがありました。
その時に「守破離」を思い出し、考え方が参考になったのと、ビジネスで「信頼」に繋がっていた、と思い起こすことがあったので、今回はまとめてみました。
「守破離」は数年前に受けたセミナーで知った言葉
ここのところ「守破離」という言葉を思い出していた。
この言葉は、約3年くらい前に受けたセミナーで、講師の先生が教えてくれたことがきっかけで知った言葉だった。
そのセミナーは武術を通して体感をしながら脳にも働きかけるので、感化されやすい私は早速翌朝から実践した。
当時、セミナーを一緒に受けた仲間達と「禮」といわれる(呼吸を整えながらお辞儀をして精神統一する)ものを実践したことを交換しあったりして、しばらくの間続けていたのを思い出した。
「守破離」とは
日本の文化である、茶道や武道のような芸道における師弟関係のあり方の一つであり、修行の過程を示したものといわれている。
(千利休の訓をまとめた『利休道歌』にある、「規矩作法 守り尽くして破るとも離るるとても本を忘るな」を引用したもの)
守 | 最初の段階では、指導者の教えを受けた型を徹底的に「守り」、修業・鍛錬を積みその型を身につけたものを(基本、基礎)を実践すること。 |
破 | 師匠の型を身に付けた後に、他流派の型も研究することにより自分とを照らし合わせて、自分に合ったより良いと思われる型を模索しながら試すことで、既存の型を「破る」ことができるようになる。 |
離 | 師匠の型と自分自身で見出した型の双方に精通し、よく理解しているため、既存の型にとらわれることなく型から「離れて」オリジナルとなり、新しいものを作っていくということ。 |
学びの途中
幸いなことに私は今、興味があることを勉強できる機会を与えてもらっている。
1つのテーマに絞ったことを、別の角度から見たり聞いたり学んだりする中で、知らないことを発見する新鮮さに心が踊ることもある。
多分私は今「守」から「破」へ移る段階にいるのだと思う。
そこには最初の指導者から「守」で学んでいる「型」が、どの指導者から学んだものだとしても基本は同じものだという概念の中にあるものだと考えている。
例えば、
- 3+7=10
- 5+5=10
- 6+4=10
- 2+8=10
- 1+9=10
というように、いく通りのやり方があっても答えは「10」なのだというような。
しかし、思いもよらぬ事で「10」がブレたり、あっさり変わってしまったりすると、真剣に学んでいる側としては不安になり、何度か繰り返されると「信用・信頼」を失ってしまいかねない。
「自分の解釈でいい」などという便利な言葉は、使っていい場合と使わないで欲しい場合がある。
指導者の教えを受けた型を徹底的に「守り」の修行中である時は、余計にそう感じてしまう。
ビジネスでは「信頼」に繋がっていた
先日、ウォーキング中に、以前働いていた職場の同僚にばったり道で会った。
一緒に管理職をしていた仲間で、彼は現在も同じ職場で働いている。
懐かしい話をしながら当時のことを振り返り、お互い社長と部下の板挟みになって大変だった話題になった。
職場を離れた私からすれば懐かしい思い出でもあるが、当時はヒヤヒヤすることが多くて毎日気持ちが休まることはなかった。
社長が朝言ったことが昼には変わってしまうことがしょっちゅうあって、午前中に部下に伝えてしまっていることを、午後には変更した内容を伝えなければならない。
そんなことが繰り返されると、自分のような中間管理職の人間も部下からの信頼を失いかねない。
一旦様子をみてから部下に伝えるといったように、自分達も成長させられることが多かった。
そして大切なこともたくさん学ぶことができた。
”動かす側の人間”が”動く側の人間”をどう気持ちよく動かすかによって、その先にある完成したものの「仕上がり」が大きく違ってくることを肌で感じたことが幾度とあった。
仕事の結果に、人の気持ちやメンタルが大きく影響することを知った時だった。
そこには、”動く側の人間”の”動かす側の人間”への『信頼』があったからだと感じている。
(うまく伝えられないが、同僚と話しながら当時の私達の立場(動く側と動かす側)を「守破離」に重ねながら話をしていた。)
まとめ
1. 先ずは「守」で、指導者の教えを受けた型を守り
2. 「破」で、他流派の型も研究し鍛練をすることで、自分に合った「より良いと思われる型」を模索しながら、自分の中で「何がブレてはいけないものかを見極める目」を養う
3. そして、「離」では基本は忠実におさえた上で、新しいものを作っていくということ
何かを学んだりビジネスをする上でも、日本の文化である芸道のあり方の一つである「守破離」の考え方は、“自身の在り方”に繋がってくるのではないかと感じている。
何かにいきづまった時や、自分の考え方を見直す時に取り入れてほしいと思う考え方の一つだ。