心の持ち方 by ジェリー・ミンチントン 人生を豊かにするヒントがたくさんありました
ここのところ、気忙しく心が落ち着かない時が続いた。
そんな時は、気持ちが不安定になっていたりもするので、人からかけてもらう言葉も受け入れられない時もあり、心の中で「ポジティブ思考、ポジティブ思考」という言葉を繰り返すことが多かった。
しかし、そうは言ってもなかなか気持ちも切り替えられない日が続いた。
そんな時に「心の持ち方」by ジェリー・ミンチントン の本を読んで、「ポジティブ思考」と思う前に、心を豊かにすることのほうが優先順位としては先であることに気づき、心に響いたので、この本の事をご紹介したいと思います。
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目次
自尊心を高め自分を大切にする
自尊心は、育ってきた環境や育て方に左右されると一般的には思われがちだが、「自尊心は自分で育てる責任がある」と書かれている。
そして「自分は無価値な人間だ」と思っている人もあまりにも多く、しかも、自分がそう思っていることに気付いてないそうだ。
その根元となるのが、子供の頃に周りの大人達から植え付けられた、自分に対するネガティブな言葉であり、今の自分にとっては「根拠のない思い込み」に過ぎない、ということである。
確かに、自分に置き換えると、この歳になった今でも自信が持てないことが結構ある。
そこには、潜在意識の中で「昔できなかった」という苦い経験が残っているから、「なんか自信がない」「また失敗するかも」といった、まだ起きてもいない未来への不安が先に立ってしまう。
しかし、その一方で、この本では「成功を恐れている」という心理もはたらいているという。
- 反感を買うのが怖い
- 成功者と肩を並べるのが怖い
- 親の成功を超えたくない
- 自分は成功するだけの価値がない
特に「自分は成功するだけの価値がない」という思い込みを持っている人が一番多いらしい。
その思い込みを変えるには「自分には成功する価値がある」と確信できるくらいにまで自尊心を高めることのようだ。
そうすれば「必ず成功できる」と書いてある。
私も、自己啓発セミナーや投資家の勉強会に参加しているが、その中でよく言われるのが「潜在意識にすりこむことで、行動が変わる」と、どのセミナーでも出てくるワードだった。
自分は出来ないという確率は、過去の自分を、今の自分が勝手に分析して判断した結果でしかないので、先ずは「自分ならできる!」という自分を信じる気持ちを持つことが、自尊心を高める一歩になるのではないかと思った。
ネガティブな考えや人から離れる
小さい頃に、他の子供と比較されずに育った人はいないと思う。
私自身もそうだったし、自分の子供達を育てた時も、無意識にそうしていたかもしれない。
この本では「比較をする意図は、子供である私たちを向上させることだったが、この比較の方法は最悪で、”自分はダメな人間だ”という気分にさせ、自分の能力に疑問を持ち、劣等感の原因を作り、みじめな気持ちでいっぱいになる。」と言っていることに、私自身の子供の頃を思い出した。
そして、このことが原因で、比較する習慣が身についてしまい、いつも自分を他の人達と比較してしまっているそうだ。
- 服装
- 仕事
- 収入
- 車
- 家
など。
「比較」は「争い」の温床だと、書かれた本を前に読んだことがある。
この言葉に、私はとても納得させられた。
比較をすることで、自然に差別の目を養うことになり、自分が劣っていると「ねたみ」に変わっていく。
自分の力ではどうすることもできないと、「恨み、つらみ」の感情になり、さらにエスカレートしてしまうと「争い」にまで発展してしまう。
小さい頃から、比較されて育った私達は、そういった危険性を、自然に刷り込まれてしまっているのだ。
じゃぁ、どうすればそういった感情を回避できるかといえば、「ねたみ、恨み、つらみ」の感情を、自分の「学び」や「努力」なんだという感情に変え、他人の成功を祝福する思考にすることである、と私は思う。
そして、「ネガティブな人から離れることをが非常に大事である」とも本には書いてある。
自分のアイデアや、やろうとしていることに「上手く行かない理由」を次から次へと並べ、諦めさせようとする。
ネガティブな人たちの発言に抵抗するには、かなりの強い意思が必要だ。
ネガティブな人達は、リスクを嫌うあまり成功とは無縁の生活を送っている。
そして、自分は他人にアドバイスを送る資格があると思い込んでいる。
こういったネガティブな人達とは、出来る限り付き合わない理由として、ネガティブな人達と議論をしても何も始まらないからである。
「”うまくいかないかもしれないが、ここで諦めたら悔いをの越すことになりから実行に移そう”と自分に言い聞かせ、行動に移す」と書いてあることに、私は共感を得た。
内なる批判に反論する
自分の中にいる「批判者」に気付く。
人は誰でも自分の中に「批判者」がいるそうだ。
物心ついた時から親や権威者から言われてきたネガティブな意見の寄せ集めが、新しい事をして自分の生活の質を向上させようとすると、内なる「批判者」として口出しをして、そうはさせまいとする。
それを改善するにはどうしたらいいのか。
一度は、内なる「批判者」の話しに耳を傾け、すぐにそれに対する反論を書き、そのパターンを熟知して、今度、内なる批判者が何かを語りかけてきたら、すぐに反論するクセをつけることだそうだ。
更に、内なる「批判者」は「過去」と「失敗」にこだわるが、自分は「現在」と「成功」に意識を向けて生きていくことが大切だと言っている。
よく「自分の人生は、自分で変えられる」「自分の気持ちしだい」という言葉を耳にするが、これらの言葉を分かりやすく噛み砕いた説明だと感じた。
心配をせずに「人生は楽しいものだ」と思う
心配は、まだ起きてもいない未来に対して、過去の経験が蘇って「心配」に変わってしまうものではないのかと、私は時々思うことがある。
この本では、心配をやめることとして
- 心配は常に将来のことに関することだから「現在に意識を集中」する
- 心配していることに気付いたら、ポジティブな思考に切り替える
- 「自分は運がいいから、心配する必要はない」と考える
と伝えている。
そして、心配や不安の気持ちが出てきたら、紙でもパソコンでも「書く」ことが良いそうで、精神衛生上にも効果があり「筆記療法」だとも言っている。
書くことは心の中にネガティブな感情を吐き出すのに役立ち、書くだけで問題解決になるとは限らないが、理解しやすくなり自分の思考がより明瞭になる。
ただし、書き終えたら、その問題を実際に解決することを心がけることが大事だと言っている。
そして、日記の効果も多くの利益があると言っている。
自分が書いたものを見ることによって、自分のことがわかるようになり、「自分にとって重要なこと」がはっきりとわかるようになるそうだ。
「心配」や「不安」なことを書き出し、更に日記をつけて自分にとって重要なことをはっきりと分かるようにすれば、考えが整理され「心配」や「不安」が解消されてくる。
そうすれば、自分の未来に楽しく明るいことが見えてきて「人生は楽しいものだ」に思考を書き換えることができるのだと思った。
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自分にとっての成功とは何かを問い直す
「成功」とはどういうことを指すのか。
このページを読んで、なるほどと感心したことがある。
ほとんどの人は
- 地位
- 名誉
- 財産
- 権力
と行った外的なイメージをするが、別の種類の成功もある。
- 精神的な満足や幸せ
- 楽しさ
といった内的な成功というものだ。
内的な成功は、本人以外にはなかなかうかがいしれず、多くの人にとっては内的な成功はそれほど重要ではないかもしれない。
しかし外的な成功には短所があり、それを追い求めて努力をしても確実に達成できる保証はないし、達成したところで
永遠に続くとは限らない。しかも、ある程度、運に左右される。
人間にとって、外的な成功も内的な成功も間違ってはいないが、おそらく最も満足が得られるのは、その両方の組み合わせだろうと伝えている。
更に、自分が追い求めるものは、自分の意思でそれを選んでいるのだから、今置かれている社会的な環境やプレッシャーによるものか、どちらかなのかを自問自答してみると、「自分にとっての成功とは何かが理解できる」と言っている。
確かに、「成功」という言葉を耳にするが、自分にとっての成功とは、外的な成功なのか、内的な成功なのかを考えてみるといいのかもしれない。
生きている時代や、年代によっても「自分にとっての成功」が変わってくることも、ちょうど感じていた時であったので、私はこの章に感心させられた。
人と自分のルールが同じであると思わない
子供の頃に学ぶ大切なルールの一つに、他人とうまくやっていく方法がある。具体的には、
- 正直
- 公平
- 思いやり
- 礼儀
- 協力
- 調和
- マナー
- 親切
といった素晴らしい資質を身につけることである。
しかし、他人の人達が自分と同じルールを学んだとは限らない。
自分にとっては正しいと思えることでも、他の人には間違っていると思えることかもしれないし、その逆もありうる。
「誰もが同じルールに従って生きている」と想定すると重大な問題に直面する恐れがあると言っている。
確かに、他の人が自分の思い通りにならなかったり、親切心でやっていることであっても、状況や立ち位置が違えばそうとは受け取らないことがあったりする。
「他の人は自分の常識にあてはまるものだ」と思わない方が、自分の感情を乱されることもなく、相手に対しても「まあいいか」や「仕方ないね」と受け入れやすく、自分にストレスをためずにすむことにもなると思う。
「人それぞれの考え方がある」ことを理解することが、人との関わりを楽にすることでもあると思っていたほうが良いと思った。
自分らしく生きる
人と違っていることを恐れない。
幼少期の頃から、「常識はずれなことはするな」といった無言の常識の中で、他の人と同じようにすることを強いられ、それが当たり前のように育てられる。
しかし、こういった規範の中で快適に過ごしているだろうか。
ということに、私も生きにくさを感じたことがある。
きっと、皆、思ったことがあると思う。
このことに窮屈と感じ、自分らしく生きるには
- 周囲の人々と異なっていられる勇気があるのか?
- 「イエス」という答えを期待される時に「ノー」と言える勇気があるか?
- 周囲の人々と調和する事を求められても、自分らしく生きたいと思うか?
- 「それは違う」と思った時、堂々と意義を唱えることができるか?
自分らしく生きることは困難かもしれない。
それを確かめてみるには、やってみるしかない。
と言っている。
自分らしく生きるとは・・・。
私は、自らの言葉や態度で生きにくくする必要はなく、必ずしも周囲と異なることが「自分らしく生きる」ことではないと考える。
自分の考えが違うのであれば、「なんで違うんだろう」と考えた上で、そのことが理解できて受け入れられれば受け入れればいいし、理解できないようであれば「ノー」と言えばいいと思う。
そして、それ以上に自分の中に「強い思い」があれば、周りに話すことなく、「行動、実行するのみ」だと私は思う。
まとめ
自尊心を高めることは、「自分ならできる!」という自分を信じる気持ちを自分の中に擦り込み、過去のネガティブな意見に反論するクセをつける。
そのためには、
- 人と自分を比較しない
- 自分、他の人の長所を探す
- 心配はしない
- 「人生は楽しいものだ」と思う
- どんな状況でも笑う機会を見つける
- 完璧を目指さない
- 成功とは何かを問い直す
自分を大切にすることは、「今」と「未来」に意識を向けて、自分のミスを許し自分を責めないことをして、自分という存在を認めてあげることだと感じた。
そして、生きていくうえでは、人と関わることは避けては通れない。
自分とは違ったルールで生きていて、「他の人は自分の常識にあてはまるものではない」と思った方がいいし、楽だと思う。
「心の持ち方」一つで、「自分の人生は豊かにすることができるのだ」ということを改めて感じることができた。
何かにぶつかった時や落ち込んだ時、「心の持ち方」by ジェリー・ミンチントン の本を、是非読んでみてほしい。
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